危ナイ隣人
「今のところ志望校同じだから、話す機会も自然と増えてるのかも」


「志望校?」


「そうそう。たまたま被ってたんだよね。だから勉強面とかで色々話したりはしてるかなぁ」



あ、そうだ!

と、脳内と声の言葉がリンクする。


その先に続く言葉は別物だけど。



「あなた達も同じところ目指す? だったら塚田くんとも一緒に勉強出来たりするかもしれないよ」


「えっ……!」


「ほんとに? いいの?」


「うん、もちろん。志望校はあなた達が決めることだから、私がとやかく言うこともないしね」



キャッキャとはしゃぐ彼女達に向かって、再び微笑みかける。



「ちなみに私達の志望校、R大だからよろしくね? やるからには本気でやってもらわないと困るから」



次に続いた私の言葉に、色めきだっていた彼女達の表情が凍った。



「塚田くんにも言っておくね、志望校同じ子が他にもいたって。えーっと、何組の誰さんだっけ?」


「まっ、待ってっ!」


「せっかく言ってくれたのに悪いけど、私達行きたい学校あるんだ! 今思い出した! だからちょっと考えさせて……っ!」
< 262 / 437 >

この作品をシェア

pagetop