危ナイ隣人
ねぇナオくん。


どういう経緯かはわかんないけど、私達はきっと出会うべくして出会ったんだよ。


私達の出会いには、きっと意味があったんだよ。



私はその答えを知りたい。


知れなくたって、答えを探す努力はしたい。



だからもう、追いかけっこは止めにしよう?









久しぶりに捕まえた彼は、目を大きく見開いて鬼の姿を瞳に映した。



「なんで、ここに……」


「なんでって、マンションにいたって会えないから」



突然の私の登場にひどく狼狽した彼──ナオくんは、いつものラフな格好で消防署に背を向けている。


24時間の勤務を終えて、消防署を出たところを捕まえた。

職場に押しかけるのはダメだと思ってたけど、勤務終わりならって考えに至ったんだ。



待ち伏せとか、ストーカー!? なんて声がどこからか聞こえて来そうなものだけど、少女マンガとかだと許されてるからイイんです。


くるみと真帆にも許可もらったし。

そもそも逃げまくるほうが悪いんだし、うん!



「……待ち伏せとか、お前よっぽど俺のファンなんだな」


「ハハハ、久しぶりに話したけど変わってなくて安心したよ。会いに来てくれたのか!? とか言われたらどうしようかと思ってた」
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