危ナイ隣人
「近くに公園があるから……話すなら、そこで」


「うん、そうだね。このままじゃ、同僚の人からあらぬ疑いをかけられるかもしれないもんね」


「それはねーな。普段からダイナマイトボディの美女が好きって公言してっから」


「あーあー。ほんと変わってなくて安心するよ」



ぎこちなさの残るまま、肩を並べて歩き出す。


ナオくんが隣を歩いている。

そんな何気ないことが本当に久しぶりで、実はちょっと、泣きたくなった。




梅雨真っ只中の空は、今日もどんよりと重い。


今にも泣き出しそうな雲は手が届きそうなくらい低くて、公園から人の姿を消していた。



ナオくんに連れられるまま公園の四阿(あずまや)に辿り着く。


ベンチに並んで座った私達の間には、403号室で過ごしていた時にはなかった微妙な距離があって、またチクリと胸が痛んだ。
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