危ナイ隣人
終わったぁぁぁ……。



答案用紙が回収されるのを待って、机に突っ伏した。


寝る間も惜しんで勉強に励んだテストは、4日間の日程を無事に終え、クラスの空気は少し浮き足立っている。


けど、空気が抜けるように全身から力が抜けた私はというと、中々起き上がることができない……。



誰かこのまま私を家まで連れて帰ってくれぇ〜。


目を閉じながらそんなことを思っている私の頭上から、



「御山さん」



と声がかかる。



「なに〜塚田くん」



もう声で誰だかわかるから、顔を伏せたまま応える。


この声の主に、さっきの邪なお願いはさすがに出来ない。

これが真帆やくるみなら……うぅ。



「疲れ果ててるところ申し訳ないけど、もうすぐ先生来るから早く帰り支度してくれる? 終礼終わったらすぐ出るから」


「……えっ?」



有無を言わせない突拍子のない言葉は、私の顔を弾くように上げさせた。


目を丸くする私とは対象に、塚田くんは相変わらずの涼しい顔。
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