危ナイ隣人
「お待たせ」
ナオくんの前にグラスを置いて、隣に腰を下ろす。
正面のソファーにお父さんとお母さん。
隣には正座したナオくんで、私はというと、怪我をしてるから左足は伸ばした状態。
形容しがたいこの空気感。すっごくソワソワする。
誰が先陣を切るの。
なんて思っていたら、意を決したようにナオくんが口火を切った。
「単刀直入に言わせていただきます。──茜さんと僕の交際を、認めていただけませんでしょうか」
さっきまでの緊張はどこへやら。
ナオくんの横顔はいつになく真剣で、真っ直ぐに前を見ている。未来を見据えている。
揺らがないナオくんの心に、少しだけホッとする。
「圭太を……お2人の大切な息子さんを死なせた僕に、こんなお願いをする資格なんてないことはわかってます。本来であれば、出会うべきでなかったんだろうとも思います」
でも、とナオくんの言葉は続く。
「ただの隣人として関わっていた時間も、彼女が圭太の妹だと知ってからの時間も、いつしか、かけがえのないものになっていて。
絶対に失いたくない、たった1人を守りたいって……初めて、心の底から思ったんです」
ナオくんの前にグラスを置いて、隣に腰を下ろす。
正面のソファーにお父さんとお母さん。
隣には正座したナオくんで、私はというと、怪我をしてるから左足は伸ばした状態。
形容しがたいこの空気感。すっごくソワソワする。
誰が先陣を切るの。
なんて思っていたら、意を決したようにナオくんが口火を切った。
「単刀直入に言わせていただきます。──茜さんと僕の交際を、認めていただけませんでしょうか」
さっきまでの緊張はどこへやら。
ナオくんの横顔はいつになく真剣で、真っ直ぐに前を見ている。未来を見据えている。
揺らがないナオくんの心に、少しだけホッとする。
「圭太を……お2人の大切な息子さんを死なせた僕に、こんなお願いをする資格なんてないことはわかってます。本来であれば、出会うべきでなかったんだろうとも思います」
でも、とナオくんの言葉は続く。
「ただの隣人として関わっていた時間も、彼女が圭太の妹だと知ってからの時間も、いつしか、かけがえのないものになっていて。
絶対に失いたくない、たった1人を守りたいって……初めて、心の底から思ったんです」