危ナイ隣人
マンションの家賃とかはお父さん達が払ってくれてるけど、私が入院している間に、勝手に泊まろうとはならなかったらしい。


実際は家に帰ってこれたけど、布団の組数もないし、当初の予定通り今回はホテルに宿泊することになった。



「明日、本当に空港まで見送りに行かなくていいの?」


「いいわよー、ここから結構距離あるし。むしろ、トンボ帰りで悪いわね」


「それは全然。急に帰国してきてくれたんだもん、仕方ないよ」



仕事を投げ出して帰国してくれた2人は、明日の朝早くの便で日本を発つ。


仕事をそっちのけで帰ってきちゃったから、すぐに戻らなきゃいけないんだって。

お母さんだけでも残ろうとしてくれたけど、私は見ての通りピンピンしてるし、断った。


もちろん、虚勢とかじゃないよ。

ずっと気にさせてしまってた分、頼るべきところは頼るつもりだけど、今回は本当に大丈夫だから断ったの。


もう心配かけることがないよう、睡眠はちゃんととります。ハイ。



「チェックインの時間もあるし、そろそろ行くわね」


「うん。また帰ってきてね」


「あぁ。受験のこととか、何かあったらすぐに連絡するんだぞ?」


「わかってるよぉ」



私とナオくん、お見送りに来てくれた大家さんに手を振って、2人は暗がりを歩き出した。
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