危ナイ隣人
4.
愛シイ恋人
えー、毎日猛暑が続きますが、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
日頃は……って、この先なんだっけ。なんて言うんだっけ。
……まぁ、何でもいいや。とにかく。
御山茜、ピンチであります。
「っあー!」
オタマ片手に、キッチンで頭を抱える私。
その声を聞いて、ナオくんがひょっこりキッチンに顔を出した。
切ったばかりの黒髪は、毛先が何だかつんつんしてる。
「うわぁっ」
「うわぁって何だよ……。聞いたこともないような奇声が聞こえたから、見に来たんだけど」
「珍獣みたいに言わないでっ!」
いつもの調子の軽口にがるがる噛み付くと、ナオくんが小さな声で「猛獣の間違いか」なんて言う。
違うっつーの!
仮にも彼女に向かって言うことかっ!
「んで? どうしたんだよ」
キッチンに並べられたお皿をざっと見渡しつつ、足を踏み入れることなく問いかけてくる。
許可なく立ち入らないでいてくれる優しさが、傷口に沁みるよ……。
「……見て」
唇を尖らせて言うと、ようやくナオくんがキッチンに入ってくる。
家主なのに許可制みたいになってるの、変なの。
日頃は……って、この先なんだっけ。なんて言うんだっけ。
……まぁ、何でもいいや。とにかく。
御山茜、ピンチであります。
「っあー!」
オタマ片手に、キッチンで頭を抱える私。
その声を聞いて、ナオくんがひょっこりキッチンに顔を出した。
切ったばかりの黒髪は、毛先が何だかつんつんしてる。
「うわぁっ」
「うわぁって何だよ……。聞いたこともないような奇声が聞こえたから、見に来たんだけど」
「珍獣みたいに言わないでっ!」
いつもの調子の軽口にがるがる噛み付くと、ナオくんが小さな声で「猛獣の間違いか」なんて言う。
違うっつーの!
仮にも彼女に向かって言うことかっ!
「んで? どうしたんだよ」
キッチンに並べられたお皿をざっと見渡しつつ、足を踏み入れることなく問いかけてくる。
許可なく立ち入らないでいてくれる優しさが、傷口に沁みるよ……。
「……見て」
唇を尖らせて言うと、ようやくナオくんがキッチンに入ってくる。
家主なのに許可制みたいになってるの、変なの。