危ナイ隣人
このクラスの、こういうところは嫌いだ!
キスシーンは免れなさそう。
だったらせめて、ナオくんにだけは知られないよう、隠し通さないと……!
と強く誓いを立てていた私は、
「お前の高校の文化祭、遊びに行くと思う」
と言われて、思わず持っていたマグカップを落っことしそうになった。
「うわっ、何やってんだよ。あぶねー」
「ご、ごめん」
手から滑り落ちそうになったカップを、ナオくんが横から拾い上げる。
中身を飲み干した後でよかった……。
「い、今、なんて……?」
「だから。茜が通ってるの、南高だろ? そこの文化祭、俺も行くって」
「なっ、なんでっ!?」
確かにうちの文化祭は、一般の人も入れるけど!
なんでナオくんが、わざわざうちの高校の文化祭に!?
軽くパニックに陥る私の隣で、ナオくんが静かに食後のコーヒーを啜る。
「俺の同僚の千秋は知ってるだろ?」
「う、うん。何度か会った」
「あいつの彼女、美奈ちゃんって言うんだけど。美奈ちゃんの従姉妹が南高の1年らしくて、文化祭に遊びに行くからって俺も誘われた」
な、な、なーッ!?
何たる偶然。しかも、よりによってあんな劇をする時に……!
「な、なんでナオくんにも声かかるの……」
「なんでって、お前がいるからだろ。千秋が喋ったせいで、美奈ちゃんも茜のこと知ってるしな。ま、お前は友達と回るだろうし、邪魔はしねぇから」
本郷さんのバカ!
お世話になったことも忘れて、内心で噛みつく。
キスシーンは免れなさそう。
だったらせめて、ナオくんにだけは知られないよう、隠し通さないと……!
と強く誓いを立てていた私は、
「お前の高校の文化祭、遊びに行くと思う」
と言われて、思わず持っていたマグカップを落っことしそうになった。
「うわっ、何やってんだよ。あぶねー」
「ご、ごめん」
手から滑り落ちそうになったカップを、ナオくんが横から拾い上げる。
中身を飲み干した後でよかった……。
「い、今、なんて……?」
「だから。茜が通ってるの、南高だろ? そこの文化祭、俺も行くって」
「なっ、なんでっ!?」
確かにうちの文化祭は、一般の人も入れるけど!
なんでナオくんが、わざわざうちの高校の文化祭に!?
軽くパニックに陥る私の隣で、ナオくんが静かに食後のコーヒーを啜る。
「俺の同僚の千秋は知ってるだろ?」
「う、うん。何度か会った」
「あいつの彼女、美奈ちゃんって言うんだけど。美奈ちゃんの従姉妹が南高の1年らしくて、文化祭に遊びに行くからって俺も誘われた」
な、な、なーッ!?
何たる偶然。しかも、よりによってあんな劇をする時に……!
「な、なんでナオくんにも声かかるの……」
「なんでって、お前がいるからだろ。千秋が喋ったせいで、美奈ちゃんも茜のこと知ってるしな。ま、お前は友達と回るだろうし、邪魔はしねぇから」
本郷さんのバカ!
お世話になったことも忘れて、内心で噛みつく。