危ナイ隣人
掛ケガエナイ時間
霜月にも師走にも逃げられ、あっという間に年が明けました。
「茜ー。もう12時前だぞ」
「ん……あともうちょっと。このページ終わったら、休憩する」
「休憩って……あんま根詰めすぎんなよー」
背後で、ソファーに寝そべって競馬新聞を読んでいたナオくんから声がかかる。
んー、と気のない返事を返すと、403号室には再び沈黙が訪れた。
年が明けて早1週間。ニューイヤー気分もそこそこに、私は日々机に向かって勉強に励んでいる。
あと1週間ほどすると、大学の共通テストがある。
担任の先生やお父さんお母さんと話し合って、ナオくんや京香さんにも相談に乗ってもらって、受ける大学と方式を決めた。
大学共通テスト利用を受けて、ダメだったら一般入試。
一応他の大学も受けるつもりだけど、あくまでも本命はR大だ。
「ふぅ」
「終わった?」
私が息をついてシャーペンを投げ出すと、上半身だけ起き上がったナオくんがこちらを覗き込んでくる。
首と肩をゆっくり回してほぐしながら、半身だけ振り返った。
「とりあえずひと段落」
「お疲れ。ココア飲むか?」
「うん、欲しい」
私が頷くと、競馬新聞をバサッとソファーに投げてナオくんがキッチンへと立つ。
スウェットに厚手の黒いパーカー。いつもよりもフォルムがもこもこしてて、なんだかちょっとかわいい。
立ち上がって後を追うと、ナオくんは一瞬視線をこちらに寄越して、小さく笑った。
「茜ー。もう12時前だぞ」
「ん……あともうちょっと。このページ終わったら、休憩する」
「休憩って……あんま根詰めすぎんなよー」
背後で、ソファーに寝そべって競馬新聞を読んでいたナオくんから声がかかる。
んー、と気のない返事を返すと、403号室には再び沈黙が訪れた。
年が明けて早1週間。ニューイヤー気分もそこそこに、私は日々机に向かって勉強に励んでいる。
あと1週間ほどすると、大学の共通テストがある。
担任の先生やお父さんお母さんと話し合って、ナオくんや京香さんにも相談に乗ってもらって、受ける大学と方式を決めた。
大学共通テスト利用を受けて、ダメだったら一般入試。
一応他の大学も受けるつもりだけど、あくまでも本命はR大だ。
「ふぅ」
「終わった?」
私が息をついてシャーペンを投げ出すと、上半身だけ起き上がったナオくんがこちらを覗き込んでくる。
首と肩をゆっくり回してほぐしながら、半身だけ振り返った。
「とりあえずひと段落」
「お疲れ。ココア飲むか?」
「うん、欲しい」
私が頷くと、競馬新聞をバサッとソファーに投げてナオくんがキッチンへと立つ。
スウェットに厚手の黒いパーカー。いつもよりもフォルムがもこもこしてて、なんだかちょっとかわいい。
立ち上がって後を追うと、ナオくんは一瞬視線をこちらに寄越して、小さく笑った。