危ナイ隣人
去年の誕生日は、気まぐれにご飯を一緒に食べるだけの関係だったから、わざわざ誕生日について触れることもなかったし。


知ってて、ちゃんと覚えてて、しかもそれについて切り出してくれたことにびっくりしちゃった。



「さすがに入試直前だし、ゆっくり外食とかはまた後日として、ちょっとでも時間とれんならプレゼントくらいは当日渡したいんだけど」



視線を投げられて、私は何度も頷いた。



「じゃ、約束な。昼まで寝て、その後はずっと家にいるようにするから、都合いいタイミングでこっち来て」


「わかった。ありがとう」



やった。誕生日当日、ナオくんに会えるんだ。

真帆とくるみには会えないし、今年は勉強漬けで終わるだろうなぁと思ってたから、すっごく嬉しい。


これを糧に、明日も頑張ろっと!




3学期になり、3年生は完全に自由登校になったので、私の勉強場所はもっぱら自宅だ。


真帆は無事、指定校推薦で、くるみと近藤は特別推薦で、それぞれ合格をもらっている。


学校に行ったってみんなに会えるわけじゃないし、移動時間を考えると、家で勉強したほうが効率いいかなーって。

今日は土曜日だから、わからないところをまとめておいて、週明けに先生に聞きに行こうと思ってるんだ。



お昼を少し過ぎた頃、ソファーに投げていたスマホが震えた。


ちょうど一つの設問を終えたところだったから、振り返って画面を確認する。



「え!?」



通知はくるみからだった。LI●Eのメッセージが届いている。
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