危ナイ隣人
「これ……」


「中は後で見てみて。私とくるみで相談して、茜に似合いそうなの選んだから」


「つけてるところも、また見せてね」



私のために、この寒い中わざわざ来てくれた2人。


プレゼントももちろんだけど、2人の気持ちが……どうしよう、すっごく嬉しい。



「ありがと……」


「いえいえ~……ってちょっと、なんで涙目になってんのっ!?」


「だ、だって嬉しくて。今年の誕生日は会えないと思ってたし」


「茜、頑張ってるもんね」



目元を拭う私に、2人が寄り添ってくれる。



「大変だろうけど、あんまり無理しないでね」


「しんどくなったらすぐに連絡するんだよ~」



上っ面ではなく、心の底から心配してくれていることが伝わってくる。


先に受験を終えた2人が、ずっと私を気遣ってくれていることも知っていた。



「ありがとう、ほんと。2人とも、大好き」



考えるよりも先に、口をついて出た言葉。


私は、私が思っている以上に2人のことが好きらしい。



そのことを自覚した私を前に、2人が目を瞬かせる。



「茜がデレた!?」


「やばい、明日大雪が降るかも……」


「観測史上最高を記録するかもね」


「家に帰ったらしっかり備えなきゃ」


「……ちょっと。バカにしないでよ」



じろりと見やると、2人は全く反省していない様子で「ごめん」なんて言う。


たまーに素直になったら調子乗るんだから。もう。
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