危ナイ隣人
さも当然のようにそう言って、ナオくんはキッチンへと行ってしまう。


お寿司!?



「き、聞いてないよ? いいの?」


「当たり前だろ。言っとくけど、誕生祝いは別だからな」



外食とかは改めて、って言ってくれてたもんね。


でも、こんなに至れり尽くせりでいいんでしょうか……。



「追い込みだろ? 問題なく進んでるか?」


「うん、それなりに。わかんないとこは、明日学校に持ってくつもり」


「そうか。無理すんなよ」


「ありがと。大丈夫だよ」



少し早いけど夕飯にすることにして、ナオくんが入れてくれたお茶と一緒に、お寿司を食べた。


冷蔵庫から取り出してみると、回転寿司のお持ち帰りじゃなくて、ちゃんとしたお寿司屋さんで買ってきてくれたもので、またまたびっくりしちゃった。


恐れ多くて、もうこれがお祝いでいいよって言ったら、頭を軽く小突かれた。



お寿司をみんな平らげ、片付けが終わってからソファーに腰掛ける。


と、キッチンから戻ってきたナオくんが、ケーキが乗ったお皿を2つ持ってきた。



「ケーキまであるの!?」


「あぁ。2人だから、さすがにホールはやめたけどな」



驚く私の前に、ナオくんがお皿を置く。


ショートケーキと、チョコケーキ。

昨日、真帆とくるみが持ってきてくれたのとは別のお店のものだ。

あ、もちろん貰ったケーキは勉強の合間に食べたよ。すごく美味しかった。



「どんなやつがいいかわかんねぇから、無難なやつ選んだんだけど。嫌いじゃなかったよな?」
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