危ナイ隣人
さっき、ここに来るまでにロビーを通ったから管理人室も覗いてみたんだけど、お昼時だったからかカーテンが閉まってたんだよね。
ちょっと時間も経ったし、今から行ってみよっと。
エレベーターで1階に降りて管理人室を除くと、今度はカーテンが開いていた。
「あの、すみません。今日引っ越してきた、御山なんですけど……」
「おお……。君が御山くんの娘さんかぁ!」
中から顔を出したのは、ところどころに白髪を生やし、柔らかい空気を纏った男の人。
知り合いだって言うからお父さんと同い年くらいかと思ってたけど、むしろおじいちゃんくらいの年代だ。
「御山茜です。今回は、色々とありがとうございました」
「高校生って聞いてたけど、随分礼儀正しい子なんだなぁ。昔の教え子の頼みだ、気にすることないよ」
「……教え子?」
きょとんとした私に、管理人さんもまた目を丸くする。
「聞いてなかったか。僕がまだ高校教師だった頃、君のお父さんを受け持っててね。その時からの付き合いなんだよ。僕はもう定年退職したけどね」
「へぇ……」
人の縁を大切にしなさいって常日頃から言ってたなぁ、と思わず口元が緩む。
ちょっと時間も経ったし、今から行ってみよっと。
エレベーターで1階に降りて管理人室を除くと、今度はカーテンが開いていた。
「あの、すみません。今日引っ越してきた、御山なんですけど……」
「おお……。君が御山くんの娘さんかぁ!」
中から顔を出したのは、ところどころに白髪を生やし、柔らかい空気を纏った男の人。
知り合いだって言うからお父さんと同い年くらいかと思ってたけど、むしろおじいちゃんくらいの年代だ。
「御山茜です。今回は、色々とありがとうございました」
「高校生って聞いてたけど、随分礼儀正しい子なんだなぁ。昔の教え子の頼みだ、気にすることないよ」
「……教え子?」
きょとんとした私に、管理人さんもまた目を丸くする。
「聞いてなかったか。僕がまだ高校教師だった頃、君のお父さんを受け持っててね。その時からの付き合いなんだよ。僕はもう定年退職したけどね」
「へぇ……」
人の縁を大切にしなさいって常日頃から言ってたなぁ、と思わず口元が緩む。