危ナイ隣人
久しぶり、お兄ちゃん。

ナオくんとのお付き合いが始まったって、報告に来た時以来だね。


変わらず平穏に、ナオくんとの関係は続いてるよ。

たまに雑いけど……普段はすごく大事にしてくれるから、心配しないでね。



今日はね、報告があって連れて来てもらったんだ。


何と私、春から大学生です。

第一志望だった、R大だよ。お兄ちゃんと同じところは、さすがに目指せもしなかった。


R大なら今のマンションからも通えるから、ナオくんとも離れ離れにならなくて済むんだ。

あ。もちろん、それを理由に学校選びをしたわけじゃないからね?


大学生になったらお兄ちゃんの歳に追いつく日も来ちゃうけど……それでもやっぱり、お兄ちゃんはいつまででも、9つ歳の離れた頼りになるお兄ちゃん。


頑張って大人になるから、ずっとずっと、見守っててね。





お昼ご飯を済ませ、隣町まで戻ってきた車は、大通りに面したコンビニの駐車場に入った。


正確には、敷地内にコンビニと本屋さんと和菓子屋さんがあるところ。駐車場も大きい。



「悪いな、ちょっと休憩させてくれ」


「悪いなんて。ずっと運転してくれてありがと」



バックして車を一発で停めたナオくんは、シートベルトを外して伸びをする。


慣れてるとはいえ、長距離を運転するのはさすがに疲れるよね……。



「コーヒーでも買ってこようか?」


「いや、俺が行くよ。京香、何かいるか?」


「私も行くわ。外の空気吸いたいし」
< 409 / 437 >

この作品をシェア

pagetop