危ナイ隣人
京香さんがそう言うので、私達は3人で車を降りた。



「広いね、ここ」


「な。ベンチもあるし、ホットコーヒーでも買ってあそこで休憩すっかな」


「えっ、寒いよ?」


「だからこそ、シャキッと出来んだろ」



うーん、なるほど。そういう考えもあるのか。

私だったら、風の当たらない車の中で休憩したいと思っちゃうけどな。

運転してくれてるし、そうもいかないのかな。よくわかんないや。



コンビニに入って、私はホットのレモンティー、ナオくんと京香さんは、ドリップするタイプのホットコーヒーを買った。



「私、お手洗いに行きたいから、先に行っててくれる?」


「わかった。さっきのベンチに座ってるからな」


「はーい」



レモンティーをナオくんに託してから、2人と別れる。


寒い寒いと抗議してた京香さんも、なんだかんだ、寒空の下のナオくんのコーヒーブレイクに付き合ってくれるみたいだった。

よかったねぇ、ナオくん。



店員さんに声を掛けてから向かったコンビニの女子トイレの鍵の部分には、赤色が示されていた。

おっと、先客。危ないあぶない、ノックしちゃうところだったよ。



少しだけ待って、お母さんと同じくらいの年代の女の人が出てきてから中に入った。



トイレから出て、雑誌コーナーの周りに人が多かったから、お菓子コーナーの前を通る。


パッと目についたのは、黄緑色と銀色のパッケージのガム。



……食べるかな。


少しお疲れモードのナオくん。運転の時、ガムを食べるといいって聞いたことがあるような気がする。
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