危ナイ隣人
部屋に戻って、とりあえずベランダを全開にした。


空気を入れ替えたかったし、何より暑い。

真夏だというのに、引っ越しが急だったこともありクーラーがまだ取り付けされてないんだ。


今度の日曜日に業者の人が来てくれることになってるんだけど、それまでは扇風機一本で過ごさなくちゃならない。



「荷解きを後回しにも出来ないしなぁ……」



驚くべきことに、明々後日から2学期が始まってしまうのだ。


学校が始まったら中々十分な時間が取れないし、早いうちに終わらせたいんだけど……



「終わるの? コレ」



引っ越し業者の人が運び入れてくれた大型家具以外は、全部段ボールの中に仕舞われている。

ご飯ひとつとっても、フライパンや食器を全部出さなきゃ作れない。



「……やるっきゃないか」



Tシャツの袖を肩までたくし上げて、私は荷解きにかかった。





ひと段落ついたのは、夕方8時を回った頃。

コンビニで調達したおにぎりを片手に励み、なんとかある程度は片付けることが出来た。


このマンションは部屋が2つあって、6畳の部屋は寝室に、10畳の部屋はリビングにした。

やっぱり、女子高生1人で住むには広すぎるよ……。


「つっ……かれたーっ」


ヘトヘトになって、リビングを陣取っているソファに倒れ込むようにダイブした。
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