危ナイ隣人
ナオくんに頼るくらいなら、叔父さん達に迷惑かける方がまだ理にかなってる!



「べつに平気だよ! 避けて通れば何とかなるし!」


「いや、どう見ても危ねーだろそれ」



ささくれみたいにめくれたフローリング。

確かに、ひっかかったりしたら危ないし怖いけど!



「これで怪我されたら、俺が夢見悪いじゃねーかよ。すっころんで大怪我して、救急車呼ぶハメになったらどーすんだ」


「それはまた大袈裟な……」


「あり得る話だろーが。そうなったらかわいそうじゃねぇか、仕事増やされた救急隊員が」



そっちかよ心配してんの!


心の中でお笑い芸人かってくらい盛大なツッコミをしてしまった。

思わず、ガクッと力の抜けるアクションまでしそうになったよ。



「これが危ないってわかってんだろ、お前なら」


「それは……」


「わかってるけど、頼るとこないから家にいる。違うか?」



全てを見透かしたような物言いに、ぐっと言葉を飲み込んでしまう。


彼は真っ直ぐに、淀みのない瞳で私を見据えていた。

 

「迷惑とか一々考えなくていい。それでも考えちまうなら、昨日みたいに掃除とかで奉仕しろよ」
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