危ナイ隣人
体を鍛えることが好きなのはわかったんだけど……それ以外は未だに謎に包まれたまま。



身を寄せることになったその日に合鍵を渡してくれたから、普段ナオくんが家を空けている時でも私は普通に出入りできる。


私の生活拠点はもっぱらこのリビングで、寝るのもソファー。

疲れるかなと思ってたけど、そんなに体痛くならないのは、たぶんいいやつだからだと思う。


合鍵をもらってすぐに部屋を大掃除したから綺麗になったし、今のところ予想以上にというか予想外にというか、快適な生活を送らせてもらってる。

あ、もちろん掃除の許可は取ったよ。



「雨、止まないね」


「そうだな」



洗い物を終えて、リビングに戻る。


私が振った話題に、ナオくんはやっぱりダンベルを持ち上げながら返答してくれたけど、そのテンションは心なしかいつもより低い。



「しばらく大雨が続くってさ。困っちゃうよね」


「外で遊びたいトシゴロだもんなぁ」


「ねぇオジサンうるさいんだけど」



ナオくんの私に対するコドモ扱いは相変わらずだ。っていうか、テンションもいつも通りかもしれない。

高校2年生って、大人から見てそんなにコドモなのかなぁ。



「そういえば、お米がもうなくなるよ。買いに行こう」
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