危ナイ隣人
「え、もう? 早くね?」


「だってナオくんいっぱい食べるじゃん。それに、この前買ったのは量少ないやつだし」



ナオくんの家に居候すると決まった日、キッチンに立ち入ってびっくりした。

トースターでパンも焼いてくれたし、調理器具は一通り揃ってるなーなんて思っていたところに、埃をかぶった炊飯器が目に飛び込んできたんだ。


聞くと、最後にいつ使ったのか記憶がないとのこと。

朝はトーストで済ませて、あとは全部カップラーメン。

朝ごはんは体の資本、なんて言ってたけど……今思えば説得力なさすぎるよ。

もちろんお米なんて家にあるはずもなく、慌てて近くのスーパーに買いに行ったんだっけ。


その時は工事が遅れるなんて思いもしなかったから、スーパーに置いてある小さめのお米を買ったんだよね。

それがまさか、2つ目を買う日が来るなんて。



「買いに行くって、今から?」


「出来ればそうしたい」


「俺も?」


「買いに行こうって言ったでしょ。1人だったらそんな言い方しないよ」



だよなぁ、とナオくんは少しめんどくさそうにしてダンベルをラックに戻す。



「行くけど、その前に一服だけしていいか」


「えー。しょうがないなぁ」
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