危ナイ隣人
浴槽を洗って、ナオくんに習った方法でお風呂を入れる。


いつ帰ってくるのかな。さすがに、家主がいない家に何日も1人はやだな。

1人で食べるのはちょっと味気ないから、一緒にご飯食べたいなぁ……。





「今日の夜がピークらしいよ」



窓の外を眺めながらそんなことを言ったのは真帆だった。


つられて視線を向けるけど、打ち付ける雨のせいでいつも見えている景色が何一つ見えない。



「今でもかなり降ってるのに、更にひどくなるってこと?」


「うん。川とか結構危ないかもだって」



聞いたのはくるみで、真帆はニュースか何かで得た情報を教えてくれる。


うちの近くに川はないはずだけど……。



「くるみの家の近くは、たしか川があったよね?」


「茜ってば、よく覚えてるね。ちょっと距離あるから、そんなに心配ないとは思うんだけど」


「ならよかった。茜は大丈夫なの? こんな時に1人でしょ?」



突然話を振られて、すぐに反応できない。



「1人で心細かったら、うち来る? それか、私が茜の家行こうか?」


「名案! 1人だと心配だし、私もママに話したら行けると思う」



真帆とくるみの2人で、話が進みそうになっている。


2人には、ナオくんの家に身を寄せてることを話してない。

信用してないとかそんなんじゃないんだけど、タイミングが掴めなくて、結局そのまま。
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