危ナイ隣人
「ずっと遊びに行きたいって言ってるのにさぁ〜」


「なんだかんだで1回も行ってないもんね




お? 傍観どころか加勢態勢?

さては真帆も、くるみと同じ気持ちなわけね。

まぁ、工事もあって、のらりくらりとかわしてきた私も悪いんだけど……。



「私の家行きたいってのは建前でしょ?」


「え?」


「イケメン見たいって、顔に書いてる」



2、3歩引いて指摘すると、くるみがピシッと体をこわばらせた。


あらあら、図星かーい。



「いやいや、茜の家に遊びに行きたいってのが純粋な気持ちだよ? ついでに、イケメン拝めたらいいなーって思ってるだけで」


「そこで変にごまかさないところ好きだよ、私」



今日は金曜日。

オマケだっていうイケメンがいるかどうかはわかんないけど……



「いつ来る? 今日でもいいよ」


「今日とはまた唐突だねぇ。行けるけど」


「唐突なのに行けるのね……。まぁ、私も行けるけど」


「はい決まりー」



このスピード感。ものの10秒で、今日の放課後の予定が決まった。

こりゃF1レーサーもびっくりだよ。



「最近寒くなってきたし、鍋でもする? 簡単だしさ。遅くなるようだったら、泊まってもいいし」
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