片隅にだけでも
走り去る車を眺めて栞里は一人顔真っ赤。
なんとアホな光景だろうか。
「帰ります…か…」
先程までの有頂天は何事もなかったかの様になって静かな栞里。
誰もいないアパートのドアを開ける。
一人暮らしの悪いとこは、話したい時に誰もいない事。
家に帰るや否や、靴を勢い良く履き捨てて、ベッドにぐったり。
「天狗になるのも程々にしないと…」
疲れていたのか、午前中なのにも関わらず眠りについた。