きみの知らないラブソング
優太のことが好き。
だけど、それと同じくらい茉衣は広菜が好きだ。
広菜もまた、同じだろう。
「本当にごめんね」
「私こそ・・・ごめんね、広菜」
お互いにうんうんと頷き合って笑い合う。
最後のほうは何も話をしなくて。
だけど言葉以上に分かり合える何かがあった。
少しの間離れていても。またいつでも近付ける。
これからもそんな関係でいたいと茉衣は願った。
そっと、電話を切る。
窓越しに見える夏空はさっきよりも輝いていた。