[短]ダメな男

息子が泣き止まないでいた。


また着信音が流れ
ディスプレイには
“今井心一”が点滅していた。



「もしもし?心一?」

相手は心一であるはずなのに
何も返事はない。
















《廣瀬唯です。》

とても可愛らしい声で
わたしがこの世で一番
憎むべき相手の名前を告げた。
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