[短]ダメな男
ライブが終わって
春夜と夢華は一緒に帰るらしく
俺は唯を送ってくことになった。
「心一くん達のバンド
すっごいかっこよかったー♪」
『特に俺がねー♪』
唯は大爆笑していた。
『唯、この後時間ある?
飯食べ行かない?』
「行きたーい♪」
本当は唯ともっと
一緒にいたかっただけ。
俺は無邪気な唯に
完全ノックアウトだった。
入ったのは
完全個室の居酒屋。
呼ばない限り
店員は来ないし
デートにはオススメ♪
「心一くん。
あたし未成年だよ」
こそっと顔を近づけて
俺に告げる唯。
大丈夫、見えないから。
俺らは色んな話をしながら
酒が進み
いー具合に酔っ払った。
『唯‥。
俺、唯のことが好きになった』
「心一くん‥。」
うっとりした目で
俺を見つめる唯。
あぁ!もう限界っ!!
キスしたいっ!
‥って時に。
ヴーヴヴー。
――――――――――
着信:今井咲
――――――――――
えぇー!?
唯に断りを入れて
電話に出た。
《心一?
ちょっと陣痛が‥》
はいー?
予定日はまだ二ヶ月先。
とりあえず帰らなきゃ。
唯とケー番交換して
急用で帰らせてもらった。