優しくツツンデクダサイ
「俺、今部活終わりで臭いから寧々ちゃんのお母さんに言って1度自分の家でお風呂はいってから来るよ!少し待たせるけどゴメンな。」
「私から母には言っておきますからそのまま帰っていただいて全然大丈夫です!」
「いやいや、一応ちゃんとお金もらってるんだし、そのへんはしっかりしないとな。」
彼はそう言って私の家まで来てくれた。
彼はお母さんに事情を話し、1度家に戻っていった。
自分の部屋に入り、すぐさまベッドなダイブ。
天井を見ながら考える。
さっきの「お金もらってるんだし」
がどうしても引っかかる。
そうだよね。私はただ櫻井先輩に家庭教師になってもらっているだけど、それ以上の関係はまったくない。冷静になって自分に言い聞かせる。
ピンポーン
あ、櫻井先輩だ!
慌てて下に降りる。
「今日もよろしくお願いします」
いつもと同じリビングに入ると、
お母さんが
「あ、そうだ!寧々、来週の金曜日は海斗くんのお家で教わってね。お風呂をリフォームしようと思ってるの。だから、きっとリビングはうるさいから」
「そのままおいでよ!もし部活終わるの待っててくれたら一緒に帰れるし!」
「いいんですかぁ!?」
嬉しくて嬉しくて……
この気持ちを隠すのに必死だった。
「寧々、ずいぶん嬉しそうね!」
ちょっとお母さん、変な事言わないでよ!
櫻井先輩は優しく微笑んでいる。