幼なじみの優しい彼 2
私はというと、高校1年、花咲(はなさき)ヒカリ。
ごくごく普通の顔立ちに、身長は148センチと低くておこちゃま体型。

とりたてて、光るところが無くて名前負けしているなぁと時々思う。

うー、それにしても毎度のことながらムカムカするこの光景。

私の幼なじみは、頼まれるとあまり断ることはなく、いつも女の子のこうしたお願いをきいてしまう。

そしてその結果、相手にさんざん期待をさせてしまうのだ。

うー、早く気付きなさいよ。自分がかなり女子にモテるってことを。

本人にあまりその自覚が無いのが厄介というか、なんというか。

だから、ちゃんと毎朝鏡を見て自覚しろって感じよ。

「お願ーい。海くん。体操服、貸して」

雪美は甘えるような上目遣いで、お願いする。

「うん、いいよ。でも俺のちょっと大きくないかな」

海はあっさりオッケーして、雪美にバッグを手渡す。

って、なぬ?今なんて言った?体操服って言った?

それだけは、それだけは、

「ダメーッ」
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