幼なじみの優しい彼 2
「だって、海が優しすぎるからっ」

「ヒカリが、俺のことをちっとも信じてないのがいけないんだろ」

「信じるとか、そういう問題じゃないでしょ」

「だから、俺は・・・」

海は口ごもって、私から少し視線をそらせる。

何か言いたいことを呑み込んでいるようなその様子に、ちょっと複雑な気持ちになる。

こんな風に喧嘩しても、海は優しい人だから私にはあまりキツく言えないみたい。

だいたい彼はいつも理性的で私とは全然違うから。

そんなのわかってる。

私の方が、彼よりずっと子供なんだってこと。

だけど、腹が立っている私はまだ怒りをそんなに上手にコントロールなんてできない。

「し、知らない。海なんてっ」

よくわからない捨て台詞を吐いて、彼にベーってして自分の席に戻っていった。

海は、やれやれといった感じで、ため息をつき何も言わず席に座った。
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