アホほど美少女が転校してきた話
神無月さんは美少女の上に体の弱い儚げ美少女だったようで、それがまたクラスからの加護欲を奪っている。
この美少女、抜かりがない。体育は大抵休み、出席したとしても全員が気を遣いすぎて勝負事のときは話にならない。
合同で授業する隣のクラスにさえも心を掴ませ始め、今やじわじわと人気を伸ばした結果ファンクラブなるものが出来上がり、日々彼女の生活を守っているらしい。私にはストーカーにしか見えない。
1ヶ月でこれである。それほど彼女の存在はこの学校に影響を与え、もうこの学校は彼女に支配されたと言っても過言ではない。
だからこそ……彼女がなぜ私を慕うのか、わからないのだ。
「あ! じ、じゃあわたし、先行ってるね」
男子が教室から出て行き、女子が着替え始めたところで、神無月さんはなにやら顔を赤くして慌てながら出て行こうとする。
もちろん、そこは自称私の親友さんが止める。
「え? 一緒に行こうよ~」
「え!? あ、え、えと……」
シャツを脱いでキャミソール姿の自称私の親友さん。
「ごめんなさい!」
神無月さんは駆けだしていってしまった……。