アホほど美少女が転校してきた話
私のような見た目ヤンキーな平凡女が、神無月さんから告白のようなことをされるわけがない。
こんなこと、現実だったならば、翌日私はクラスメートにめった刺しにされ、一生を終えるのだろう。しかしこれは幻覚なので、そのようなことは起こるはずもないのだが。
「――――沈黙は、肯定と取っちゃうよ、加奈ちゃん」
そして、幻覚でも美少女な神無月さんは、今までに見たことないような男らしい笑みを浮かべ、また私に近づいてくると――――ちゅ、とリップ音を鳴らし、唇と唇を触れあわせる、チューもといキスもとい接吻もといキスをした。
ワタシハシコウテイシスル。
「えへ、勝手にしてごめんね? やっぱり加奈ちゃんが喋らないか信用できなくって、奪っちゃった――って、あれ? か、加奈ちゃん?」
意識が遠のく。
今日は世界一幸せな一日でした。
そして私の命日です。
「加奈ちゃん!? ちょ、ちょっと、え、気絶したんだけど……嘘でしょ。
…………えぇ、マジかよ。こんなヤンキーみたいな見た目しておいて、ウブなわけ? ふーん……初日から目を付けておいて、正解かも。
男だってバレたときにはすでに手遅れにさせてあげるから、覚悟しててね、加奈ちゃん♪」
おわり