私は醜いアヒルの子
────────────ピチャン
──────────────ピチャン
響き渡る水の音
一人の少女が必死で状況を理解しようとする
みずのおと?どこできこえるの?
周りを見渡しても真っ暗で何も見えてこない
勿論誰も何も答えない
闇というのはどうして人を恐怖に落とすのか
シンと何の気配も感じさせぬ黒は小さく灯る心の色までも塗りつぶす
幼い少女にこの状況が耐えられようか
否
まだ4歳なのだ
ついに闇に負け、気持ちに負ける
ふぇ、 グスッ
「お母さぁん…」
暗いどこかで幼い少女の声がこだまする
寒いよお
苦しいよお
痛いよお
この声は発しているのか、それとも心の中の声なのか
何で誰も助けに来ないの?
誰か気づいてるよね?
その声は戸惑っているだけなのか、諦めてしまったのか
そんなことはどうでもいい
はやくタスケテ
この声は心身共に1番叫ばれていた心だろう
タスケテ
誰か
ワタシをミツケテヨ
誰か、この少女に手を
オカアサン……
手を差し伸べてくれまいか
そんな懇願が胸を裂く
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