初恋をもう一度。【完】
「お待たせ。食べ終わったよー」
2階の自室に戻ってすぐにメッセージを送ると、少しして鈴木くんから返信が来た。
『これからなんか予定ある?』
「なにもないよ (笑)」
『じゃあ、電話してもいい?』
あまりに驚いたわたしは、スマホに向かって「ええっ?」と声を上げてしまった。
電話!?
電話って、鈴木くんから電話が来るってこと?
今から? 本当に?
「電話してくれるの?」
『うん。番号知らないから、このアプリの電話にかけるよ。いい?』
「うん」
『じゃあ、電話するね』
そのメッセージを受け取った2、3秒後。
ケータイの画面が一瞬ブラックアウトして、『鈴木湊人』からの着信画面に切り替わった。
心臓が信じられないほどバクバクと脈打って、体を突き破って飛び出そうだった。
わたしは深呼吸をして、ゆっくりと通話のボタンを押した。