初恋をもう一度。【完】
「あの、恩田くん」
1ヶ月ぶりに聞く、鈴が鳴るような声。
それだけで、心臓が爆発しそうになった。
「ん、なに?」
「……えっと、言い忘れてたんだけどね、4時間目の前に職員室に資料取りに来てって、先生が」
「あー、了解」
「じゃあ、またあとで。……邪魔しちゃってごめんね」
彼女は控えめにそう言って、また席に戻っていった。
「だりー。今日俺、日直なんさー」
「……ねえ恩ちゃん、今の子の名前教えて」
気づいたら、口が勝手にそう言っていた。
「え、今の? 田崎だけど。田崎奈々」
「たさき、ななちゃん……」
あの子、ななちゃんっていうのか。
「つーか湊人、顔すげー赤いんだけど」
「えっ? まじで?」
「あれ、湊人もしかして、田崎のこと好きなん?」
「は? 好き!?」
びっくりして声が裏返ったところでチャイムが鳴って、俺は慌てて2組に戻った。
好き?
俺があの子を、ななちゃんを好き?
…………ああ、そうかもしんない。
1ヶ月ぶりに聞く、鈴が鳴るような声。
それだけで、心臓が爆発しそうになった。
「ん、なに?」
「……えっと、言い忘れてたんだけどね、4時間目の前に職員室に資料取りに来てって、先生が」
「あー、了解」
「じゃあ、またあとで。……邪魔しちゃってごめんね」
彼女は控えめにそう言って、また席に戻っていった。
「だりー。今日俺、日直なんさー」
「……ねえ恩ちゃん、今の子の名前教えて」
気づいたら、口が勝手にそう言っていた。
「え、今の? 田崎だけど。田崎奈々」
「たさき、ななちゃん……」
あの子、ななちゃんっていうのか。
「つーか湊人、顔すげー赤いんだけど」
「えっ? まじで?」
「あれ、湊人もしかして、田崎のこと好きなん?」
「は? 好き!?」
びっくりして声が裏返ったところでチャイムが鳴って、俺は慌てて2組に戻った。
好き?
俺があの子を、ななちゃんを好き?
…………ああ、そうかもしんない。