初恋をもう一度。【完】
それから1年の終わりまで、奈々ちゃんとは残念ながら何の進展もなかった。

いや、進展どころか、奈々ちゃんは俺の顔すらも覚えてないかもしれない。

俺が一方的に知ってて一方的に好きで、勝手に目で追ってるだけ。

見てるだけで幸せな気持ちになれるけど、できれば仲良くなりたい。

でも接点がないから、何て話しかけていいかわかんない。

なんの変化もない、片思いの毎日。

俺の身に起きた少し変わったことといえば、弟が眼鏡をかけるようになったことくらい?

これも、俺の身ではないか。

ちなみに全然似合ってないと思う。


そんな俺に、神様が突然、ものすごいプレゼントをくれた。

2年のクラス替えで、奈々ちゃんと同じクラスになったのだ。

ついでに恩ちゃんとも同じクラス。

やっと奈々ちゃんと仲良くなれるチャンスが来た、そう思ってたんだけど……。
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