初恋をもう一度。【完】
でも、どうしたら奈々ちゃんを見つけられるのか全然わからない。
まさか探偵を雇うわけにもいかないし……。
「ねえ、昔の知り合いを見つける方法って、なんかない?」
困った俺は瞬に相談したのだ。
「昔の知り合い? うーん……あ、SNSサイトで名前検索してみれば?」
こんな簡単なことが思いつかなかったのは、俺があんまりSNSに興味がないから。
実は普段使うトークアプリ以外、何ひとつ利用したことがなかった。
さっそくそのサイトにアクセスしたら、利用するにはプロフィール登録が必要だった。
すごく悩んだ結果、俺は『鈴木湊人』という名前で登録した。
本当のことを話すまでは、奈々ちゃんにとって俺は『鈴木湊人』だから。
田崎奈々という名前を検索したら、同姓同名は何人もいて驚いた。
ひとつひとつプロフィールを覗いていく。
何個めかで、本人らしい人物を見つけた。
なんでわかったかって、栃木出身で19才で趣味がピアノ、おまけに出身中学まで掲載されていたから。
俺はすぐに友達申請を出した。
こうして、再び『鈴木湊人』になった俺は、奈々ちゃんともう一度繋がった。