初恋をもう一度。【完】
その次の週、晃太くんに誘われて、2人で遊園地に行った。
晃太くんはかっこよくて優しくて、頭もいいし、何より面白くて、話していてとても楽しい。
男子はあまり得意じゃないけれど、晃太くんと一緒にいるのは全然苦にならなかった。
この人と付き合ったら、毎日楽しそう。
自然にそんなことを思った。
そんな晃太くんから、遊園地の帰りに「付き合おう」と言われた。
とても嬉しかった。
多分わたしも晃太くんのことが好きだ。
けれど……。
すごく迷った。
だって、他の人と付き合ってしまったら、鈴木くんのことを忘れてしまいそうで。
わたしは、鈴木くんのことを過去の思い出にしたつもりだったのに、本当は全くできていなかったのだ。
だってわたしは、未だに鈴木くんのサティを毎日聴いている。
いつかまた会いたいと、心のどこかで願っていて、だから、鈴木くんを好きなわたしのままいたかったのだ。