初恋をもう一度。【完】
わたしは悩んだ末に、その気持ちを晃太くんに正直に話した。
「それでもいい。奈々ちゃんがほんの少しでもオレのこと好きなら、オレは一緒にいたい」
「だけど……」
「それにオレは、ソイツみたいにいなくなったりしない」
晃太くんのその言葉を聞いて、わたしは彼と付き合うことに決めたのだった。
晃太くんとの交際は、とても順調に続いた。
3年になっても、図書館で一緒に受験勉強をしたり、やるべきことはやって、でもたまにちゃんとデートしたりもして、いいお付き合いができていると思う。
鈴木くんのことは忘れられないし、もし会えるのなら会いたい。
けれど、鈴木くんはもういない。
それに、再会できたところで、わたし達はもうあの頃とは違うのだ。
わたしには晃太くんがいる。
いつもわたしの傍にいてくれる、優しい晃太くんのことが大好きだから。
鈴木くんのことは今度こそ胸に閉まって、わたしは前を向いて生きていこう、そう思った。