初恋をもう一度。【完】

『わかった』

今すぐ会いたい、と送ったわたしのメッセージに、鈴木くんからの返信が来たのは、夜になってからだった。

たぶん朝からバイトに行っていたのだろう。

『できるだけ早く会いに行く』

できるだけ?

それっていつなんだろう?

わたしは今すぐにでも会いたいのに。

わたしが会いに行ったってよかった。

本当なら今すぐに東京に向かいたかった。

でも……。

わたし達は今のところ、恋人ではないのだ。

鈴木くんはもしかしたら、わたしのことを好きでいてくれているかもしれない。

だとしても、わたしの気分と都合で勝手に押しかけるのは、さすがに遠慮がなさ過ぎる。

できるだけ早く会いに行く、と言ってくれた鈴木くんの気持ちだけで十分だと思わなくては。

「うん、ありがとう」

だから、わたしはそう返した。

そのあとは、全く関係のない他愛ない話を始めて、延々とやり取りしていたら、気づかないうちに眠りについていた。
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