初恋をもう一度。【完】

夕方、バイトが終わってケータイをチェックすると、少し先にバイトを終えたらしい鈴木くんから、メッセージが届いていた。

『バイト終わったー。そっちは?』

「お疲れさま。わたしも今終わったよ」

メッセージを返すと、すぐに既読がついて返事が届いた。

『お疲れ。俺、もう家でゴロゴロしてる』

「バイト先、そんなに近いんだ?」

『徒歩5分?』

「近っ。わたし歩いて10分くらいかな」

『そんな変わんないじゃん』

そんなやり取りをしながら、わたしはバイト先を出て、自宅への道をのんびり歩いた。

普段は手袋をしていないと手が凍るんじゃないかと本気で思う寒い道のり。

でも、歩きながら器用にメッセージを打つわたしは、もちろん素手だ。

鈴木くんとお喋りしていると、気温なんてわたしは全く気にならないらしい。
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