Life×Love
感動をしていると目に入ったのは審査員席に座っている将ちゃんだった。
私と将ちゃんは目があった。
しかし、将ちゃんがすぐに目をそらしてしまった。
私はステージ上で泣きそうだった。
゙もうあのころへは戻れない゙
そうなんだな…。現実はやっぱり甘くはないんだな…。
私は、涙をこらえてステージからおり、もう1度だけ…目を向けた。
じ〜ッ
するとまた目があった。
今度は二人共目をそらさなかった。
すると将が、口パクで
「さいこうだった」
と言ったのが分かった。那智はすぐ
「ありがとう」
と口パクで返した。
もう、あのころには戻れないのはわかっているつもり。
だから、もう忘れる。
今日を最後にしよう。
また縁があったら…
私は友情に妥協した。将との楽しかった毎日を思い出しながら、歌を聞いていた。
結果は惜しくも賞をもらうことができなかった。
全力でやったからいいよ。
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