僧侶とホストと若頭、３つの顔に揺れる恋

悠斗は週１日、各店舗の人員を数名ずつ順番に入れ替えているのだと教えてくれた。

悠斗に言わせると、どうやら順番にというのが味噌らしい。

売り上げが上位の者は売り上げが低い店に行く。

そうすることで、売り上げが低い店の欠点を吸い上げる。

売り上げ下位の者は売り上げが高い店に行く。

売り上げが高い店に回された下位の者は自分たちの欠点を知るだけでなく、売り上げの高い店の長所を学ぶ。

お互いが欠点と長所を学ぶことで、相乗効果が生まれるのだと。

悠斗は淡々と話した。

あたしはただポカンとして、悠斗の話を聞いた。

「なるほどねーー」と言いながら、悠斗のパソコンを覗いた。

そこには各店舗に合わせたキャッチ用のチラシが作成されている途中だった。

「こいつを配るのか」

「ああ。常連客だけでは売り上げも行き詰まるからな。各店舗のホームページも作り替えた」