恋は高校受験より難しい
【次の日】

「恋海、起きろ、ごはんだよ」

と弟がゆさゆさ私の体を揺さぶる。

もうちょっと起こす時ぐらい優しく起こしてくれよと思いながら私は体を起こした。

そして私はパジャマのまま台所へ向かった。

「おはよう、恋海」

「おはよう〜」

昨日喧嘩したばかりのはずなのにお母さんがいつもと変わらない感じで話しかけてくれた。

いつもそうなんだ。

喧嘩しても次の日にはケロッと忘れた様に話しかけてくれる。

昨日は嫌いでもやっぱり1番理解してくれる大好きなお母さんだ。

4人で朝ごはんを食べ終わるとお父さんから

「恋海、7時半に塾に行くように支度しなさい」

と言われた。

あぁ、やっぱり、初めての雰囲気に溶け込むのは苦手だと感じる。

私は憂鬱な気持ちで制服に袖を通した。
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