好きになってくれない人を好きになりました。
「今日の入学式、ちょっと疲れなかった?」

「わかる!疲れたよね…。校長先生の話が長くて…。」

「そうそう…。」

「あ、話変わるんだけどさ、なんで今日一緒に帰ろうって言ったの?」

「え…?あ、聞きたかったことがあって…」

「聞きたかったこと?」

その後、陽斗はなぜか辛そうな顔をした

「そう…。今、彼氏いる?」

その言葉で陽斗のあの表情の理由が一瞬で分かった

「いるよ…。」

「え…。」

陽斗はまた辛い顔をする。

「年上で背が高くって、イケメンで、かっこいい彼氏が、ね…。」

なんでかすぐには分からなかったけど、言ったときに辛くなって、泣きそうになった

「そっか…。」

陽斗は辛い顔のまま、桜が咲く木を見つめている

「僕、かなわないなあ。」

その言葉で胸が痛みを感じた

そして気づいた時には…

「千星ちゃん?千星ちゃん?も、もしもーし…」

「え…。」

泣いていた。

「大丈夫?ごめん、僕のせいだよね…」

その言葉に戸惑って、涙を拭って陽斗の方を向いた

「いや、陽斗のせいじゃないよ。私のせいだよ…。」









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