Last note〜特性を持つ者へ2
ベランダに干していた水着を回収しながら、
レナさんはボストンバッグに荷物を詰める。

「一泊二日だったけど…楽しかったわ。」

俺に背を向けながらポツリと呟いた。
その声色は少し寂しげで…しゃがむ彼女を後ろから抱き締めた。

「レナさん、こっち向いて…?」

「やだ。」

涙声でそう言う彼女の顔をそっと自分の方に向けた。涙目を見られて困った表情をして俺を見つめている。

「ほら、やっぱ無理してたね。」

「だからやだって言ったのよ。」

拗ねとゆうより、俺の仕事を理解しつつも、やっぱり心が上手く行かない時もある。
何にせよ今、旅行中だし。
寂しい気持ちを素直に言えなくて泣いてしまったレナさんの目元をベロンと舐めた。
< 34 / 110 >

この作品をシェア

pagetop