Last note〜特性を持つ者へ2
「ふふふ…本当に面白いわぁ。
みんな私に従順なんだから……」

手を使い、カラクリ人形を操るような仕草をしている。

「神田先生、そこまでです。」

俺が声をかけると、ピタリと立ち止まり振り返った。

長い黒髪が妖艶に舞い、

昼間に見た"優しい保健室の先生"の面影はまるで無い。

「……あら、気づかれちゃった?
"魔性"持ちなのバレたくなくて、貴方とは握手出来なかったのよね。」

「今すぐ"解除"して下さい。」

そう言うとピクリと反応したが、
俺から逃げるように3階に登って行く。

多分少しは俺の"魔性"が効いたようだ。

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