私、イケメン過ぎるドラキュラに一目惚れしました!
ごめん…


もう…無理みたい。


ケント…


ケント…


『あ…ずさ』


少し声が遠い。


でも、聞こえるよ、ケントの声。


大好きなケントの優しい声だ…


『あずさ…ありがとう。ずっと…大好きです。あずさを愛してます…これからも…僕が消えるまで…ずっと』


嘘…


私のことを愛してる…って、言ってくれた?


最後の最後に…


ケントは…私を愛してるって…


言ってくれたんだ。


嬉しくて…泣けてくるよ。


こんな素敵な告白。


私は、世界一、幸せだよ。


涙が出て止まらない。


もう、動かなくなった私の体。


代わりにケントが、優しく頬を拭いてくれた。


今ね、私、ケントに出会ったあの頃を思い出してるよ。


あなたに噛んでもらって、あなたに出会えて、あなたに愛してもらえて…


私の人生は誰よりも幸せでした。


ずっと私の手を握ってくれてる…ケントの手、すごく温かい。


え?


ケント、泣いてるの?


『消えないで…あずさ』


初めて…泣いたね…


また人間に近づいた…


すごいよ、ケント。
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