【完】浮気という名を心の片隅に
「花依がどんな気持ちでいたかなんて、私に

は分からないけど……。でも…。」

夏帆は、私の手を強く握りしめた。

「花依は、いつも一人で不安を抱えて前に進

んで行ってしまうから、怖くて…。」

すると、夏帆は頬を伝ってこぼれた涙が、私

の心に響いた。

水溜りに雫が一滴ずつこぼれ、段々周りに伝

って混じっていくような、そんな気持ちにな

った。
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