隻眼王の愛のすべて < コウ伝 >
国王の結婚式は国を挙げての大イベントである。
王宮庭園が国民に開放されることとなり、騎士団警備のもと国王と新王妃を一目見ようと大勢の人々が集まっていた。
国王が見初めた婚約者が王宮に入ったのなら結婚式はいまかいまかと思っている矢先にソラゾの戦いが勃発したので、国民としても待ちに待ったことなのである。
一番待ちきれないのはシエルだったが、余計な不安要素がなくなり心穏やかに日々の仕事をこなしているように見えて、ノエリアも嬉しかった。
「シエル様が入られます」
声がかかると、控室からは侍女たちが出て行く。ゆっくりと部屋に入ってきたシエルはノエリアの傍らに立った。
「美しいな。よく似合っているよ」
「シエル様も、とても素敵ですよ」
シエルは美しい青の生地に襟元に金糸の刺繍を施した衣装を着けている。黒髪のシエルにとてもよく似合っている。
「最高に美しい花嫁だ。綺麗だよ」
椅子の背もたれに手をかけて、ノエリアのベールにそっと触れるシエル。鏡台に映し出されるふたりの姿は幸せを纏った男女であると共に、ドラザーヌ王国の国王と新しい王妃。
「バルコニー出る前に、きみとふたりの時間が欲しかったんだ」
差し出された手を取りノエリアはゆっくりと立ち上がった。
「やっときみを妻にできる。離れていたくなくて王宮に連れてきたのに、こんなに待たせて悪かった」
「楽しい日々でしたよ? いろんなことがあって」
王宮庭園が国民に開放されることとなり、騎士団警備のもと国王と新王妃を一目見ようと大勢の人々が集まっていた。
国王が見初めた婚約者が王宮に入ったのなら結婚式はいまかいまかと思っている矢先にソラゾの戦いが勃発したので、国民としても待ちに待ったことなのである。
一番待ちきれないのはシエルだったが、余計な不安要素がなくなり心穏やかに日々の仕事をこなしているように見えて、ノエリアも嬉しかった。
「シエル様が入られます」
声がかかると、控室からは侍女たちが出て行く。ゆっくりと部屋に入ってきたシエルはノエリアの傍らに立った。
「美しいな。よく似合っているよ」
「シエル様も、とても素敵ですよ」
シエルは美しい青の生地に襟元に金糸の刺繍を施した衣装を着けている。黒髪のシエルにとてもよく似合っている。
「最高に美しい花嫁だ。綺麗だよ」
椅子の背もたれに手をかけて、ノエリアのベールにそっと触れるシエル。鏡台に映し出されるふたりの姿は幸せを纏った男女であると共に、ドラザーヌ王国の国王と新しい王妃。
「バルコニー出る前に、きみとふたりの時間が欲しかったんだ」
差し出された手を取りノエリアはゆっくりと立ち上がった。
「やっときみを妻にできる。離れていたくなくて王宮に連れてきたのに、こんなに待たせて悪かった」
「楽しい日々でしたよ? いろんなことがあって」