魔導士(仮)の小ネタ。
ギルドでよく関わる女の子、といえば、レイもいるが…。
そういえば、本来の彼女は既に100歳を優に超えていると知った時は驚いた。勘違いにより知り合った訳だが、彼女の神々しく美しすぎる容貌と、回転が早く冷静な頭脳と、その凄まじい魔力を目の当たりにして、実は事実を一切知る前に小太郎はレイに惚れてしまっていた。無理もない、というのは今でも思う。あんなに素敵な子がいたら、誰だって惚れる。だって不老不死の事実を知ってもなお、ドキドキすることがあるんだから。1度、幼女の姿をしつつも不老不死により既に100歳を超えた者に未だにドキドキすることがあるなんて、自分は異常なのかと思ってレオンに相談したことがある。そしたらレオンはあっさりと言ったんだ。
「安心しろよコタ。俺もある。」
あっさりと言うレオンに対しどうなのかと思うこともあるが、とにかく小太郎がどこまでも信頼していいと思っているレオンがそう言ったんだ。その時から小太郎はレイに対する胸のトキメキには疑問を持たないようにしてきた。無理なのだ。抗う方が間違っているのだ、と。

レイの小太郎に対する態度も、真紅やセーラとは違う。決して子供扱いはしないが、同等として話されたことは1度もない気がしている。いや、それは語弊があるか。レイは小太郎のことを1個人として見て、向き合って話してくれる。しかし彼女は小太郎などの15倍以上生きてきたのだ。当然、口調や態度も相応に老成している。だから距離を感じるのだろう。対等な態度で、しかし同じ所にはいない。言葉には表現しかねるような接し方なのだ。

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