辛口の木苺
次の日一番中が良い男友達にメールした。

「突然でごめんだけど、相談したいことがあるんだけど・・・」

「お久しぶり!どした!?」

「昨日の夜、デートに行ってきた」

「おー。久々だよね?良いじゃん!」

「最悪だった」

「え、なんで?」

「最初は普通のデートだと感じた。駅で集合してから、レストランに向かった。レストランって言っても、予約をしてくれてたわけではなくて、どこにしようかってなったら、吉野家に誘われた。彼はあまり時間がなかったようだけど、ちょっとおかしかったよね。」

「吉野家にしたの?」

「うーん、したというより、誘われたまま入ってしまった感じかな。」

「なるほど、そこはデートとは言わないなぁ」

「だよね。でも、あまり深く考えてなかった。最初のデートだから、お気軽で良いかなって」

「それでも良くデートで入ったね。牛丼でも食べたのか」

「うん・・・一応お味噌汁は付けたけど」

「全然女の子らしくないね、君は」

「普通にワンピースを着て、メイクも頑張ったよ」

「それは最低限だよ。テートはどうだった?」

「レストランでずっと携帯をいじったり、私が喋ってもあまり聞いてるように見えなかった」

「デートの始まりから良くないなぁ。そもそもどこで彼に知り合ったの?」

「実は、最近出会い系アプリを使ってみて、彼と色々話すことになった」

「だから会って良いの?」

「会話が楽しかったし、もしかして相性があるかなって思ってつい・・・」

「アホっぽい選択だね。まあ良いか。それでどしたの?」

「ご飯のあとに手を繋いで歩いた。早いと思ったけど、気持ち良かった。でも、そのあと、ホテルに行こうという話になって」

「ホテルにも行ったの!?」

「ホテルには行ってない。ホテルを通り過ぎたら、若干強めに手を引っ張れたけど、何回か断ったら、じゃあ、満喫はどうか?ってなった」

「満喫!?まさか君は・・・」

「漫画を読むふりをして、いちゃいちゃするだけだと勘違いした」

「なんでそんな勘違いしたの?明らかに体目当てだよ」

「そうだよね・・・」

「そうに決まってるよ!満喫に入った君が悪いと思う」

「満喫でも断ろうとしたら、どんどんしつこくなって最後は根負けしちゃった」

「もう分かったよ。これ以上聞きたくない」

「でも、断ったよ。彼は聞いてくれなかった」

「それは関係ない。満喫に入る時点でもう承諾してるんだから」

「え、違うよ!法律的「yes」って示さないと!」

「いや!って叫べば何もなかったじゃん!」

「それはそうだけど、怖くて・・・」

「もう良い。君は無責任すぎる。そういう女性だと思わなかった」
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